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紙のおカネ

紙のおカネです。実に不思議な存在です。いま日本で使われている紙幣は日本銀行が発行する日本銀行券、略して日銀券で、その種類として1万円札、5千円札、千円札の3種類だということは言うまでもないのですが、その製造総原価はご存知ですか。1万円札がほぼ20円、5千円札が18.5円、千円札で13円という見当でしょう。20円でできる紙切れを、私たちは1万円という値うちをもつものとして使っている。不思議ですねえ!おカネも歴史のなかで変化します。貴金属貨幣にかわって日常的には紙幣が使われるようになりました。そのほうが持ち運びに便利だからです。なぜか。たためば形を変えられるし、軽い。なぜ軽いか。物質として貴金属より軽いというのは、答になりません。金貨だと5ポンド金貨は1ポンド金貨の5倍の重さがなければなりません。しかし1万円札は千円札の10倍の面積があるべきか。ノーです。1万円と印刷してあっても、その紙きれそのものに1万円の値うちがあるわけではないからです。紙きれのおカネとしての額の大小は、素材としての紙のねうちとは無関係です。だから紙幣は軽くなるのです。

三菱地所が買収したマンハッタンのロックフェラービル

三菱地所が買収したマンハッタンのロックフェラービルのように、米国の象徴的な有名ビルを次々と買われることにもいらだちをおぼえています。ひところまでは日米経済摩擦といえば、貿易摩擦のことだけを指しました。しかし、いまは貿易関係だけでなく、投資摩擦も大きな問題になってきました。日本の対米投資は87年で約310億ドルに達しました。前年に比べ33%の増加になります。その第一の要因は、「円高」です。米国製品を輸入するのと同様に、円高で米国の企業や不動産を購入しやすくなり、余裕資金をどんどん米国につぎ込むようになりました。対米投資のなかでとりわけ問題になるのが不動産投資です。310億ドルのうち不動産投資は128億ドルにのぼりました。

ハゲタカファンド・リカバリーファンドの手法

アメリカなどには、倒産企業を安く買い叩いて、買収後企業を売却してそのさやを稼ぐ、いわゆるハゲタカファンドと言われている投資家が存在する。ハゲタカファンドの手法は、企業の清算価値よりもさらに低い価格でその企業を買収し、その後企業を解体して資産をバラバラに売却して清算処理により利ざやを稼ぐというものである。日本における倒産企業の買収においても、こうした投資家による、ハゲタカファンド的な手法で買収され、企業の再建につながるどころか解体、清算を助長し、また債権者の利益を害することになるのではないかと危惧されたこともあった。しかし、幸運にもこれまでそのような手口での買収はほとんど行われず、今後もそのような手法での買収案件はほとんど発生しないと考えられる。日本においても近年盛んに投資を進めている、いわゆるリカバリーファンドの手法は、清算価値に近い価格で企業を買収し、再建により企業価値を高めて利益を獲得する。あるいは結果として事業の再建ができなくても清算価値は保証されているため、投資の回収はほとんどできるという仕組みになっている。さらに清算価値を上回る現時点での継続企業価値で買収し、ヒト、モノ、カネの支援により再建を図り、利益を獲得するという手法も行われている。