ユニクロにとって頭の痛い問題が二〇〇一年、年明け早々持ち上がってきた。繊維のセーフガード発動の動きが活発化してきたのだ。事の発端は、二〇〇〇年秋以降、中国・韓国の繊維製品が国内マーケットを席巻し始めたことにある。国内アパレルまでが中国・韓国ヘシフトし、加速してきたこともあり、国内の繊維産地が存亡の危機に直面してきたからだ。たしかに大蔵省の貿易統計(現・財務省)をみると二〇〜三〇%と増え続けている。それでなくとも国内繊維産地は不況の嵐が吹き荒れていたのである。こうした背景の中でユニクロの輸入量は月を追う毎に拡大してきた。競争力を弱める保護より消費者を無視するなという声も高まり、業界を二分している。
通常メーカー商社を経て問屋・卸から小売へ商品が流れる。しかしコムサは主力の三井物産・三菱商事・伊藤忠、丸紅などが主体になって、完全に卸・問屋を中抜きにした流通ルートを組み立てている。中でも三井物産や三菱商事とはサプライチェーン(SCM)を確立している。例えばコムサの店で扱う生活雑貨ブランド「モノ・コムサ」も「コムサーコムサーコムサ」も同じルートで扱う。コムサは商品企画を担当、できた商品を買取る。一方三井物産は素材の調達から工場選定、店舗への物流までを一貫して受け持つ。どの素材をどれだけ使い、いつどこで作るがコムサの店頭データをもとに判断する。従来のアパレルと商社の取引はアパレル側か手当した生地の加工を商社が請負うというものだが、SCMでは店頭データも公開され、需要予測の精度を上げることができる。商品は二週間以内に補充できるQR体制を整えてあるので、例えばロゴ入りトレーナーを年間100万枚〜一三〇万枚も売る。
角か曲線かは、例えば我々がクラシックスタイルを試みるとき、アタッシェケースをもつことでも分かるように、角ばった鞄の類を選択する。クラシックスタイルには、その方が似合うからだ。カジュアルウェアを身につけ旅をするときは、丸型のボストンバッグの類を携える。角には角、曲線には曲線が似合うためだ。ひとりひとりが意識せずとも、自然にそうなる。この曲線の思想、言葉を換えればカジュアルの思想を、1960年代以降続々と登場するデザイナーたちが受け継いだのだ。彼らは必ずしもアメリカの真似をしたわけではないが、曲線を多用した結果、服全体がカジュアル化してしまった。女王陛下のデザイナーであり、秀れたテーラーでもあるサー・ハーディ・エイミスは、「私は、アルマーニの技術には賛辞を送った。彼は着心地に注意を集中してきたように思われる。もちろんスタイルにも同じことがいえるのだが。彼は、スポーツの影響がいかに強いかということを繰り返しており、趣味のいいもっともカジュアルなスタイルを作っているといえる」と、述べている。この言葉は大切である。第一に、アルマーニデザインの服が、「スポーツの影響」を受けていること。これはアルマーニの服が、スポーツウェアの思想を内包していること、すなわちカジュアルな思想の包含である。第二に、アルマーニの服が、思想のみならず「カジュアルなスタイル」であること。これは彼のスーツには、明らかにカジュアル性がそなわっていることを意味する。
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